墓じまい後の位牌はどうする?永代供養を含む3つの選択肢を解説
1. はじめに|墓じまい後に残る「位牌」という課題
少子高齢化が進む日本では家墓を維持できず墓じまいを選択する世帯が増えています。行政手続きや石材店とのやり取りは比較的スムーズに進む一方、石碑を撤去しても手元に残る位牌の扱いは十分に情報が行き渡っていません。
しかし、「新居に仏間がない」「後継ぎがいない」「海外移住を予定している」といった事情を抱える家族にとって、位牌問題は切実です。本記事では位牌の基礎知識を整理したうえで、〈自宅供養・永代供養・お焚き上げ〉という三つの選択肢を徹底比較し、判断ポイントと手続き方法を詳しく解説します。
2. 位牌の基礎知識|種類・宗派差・処分が難しい理由
位牌の種類
- 仮位牌(白木位牌):葬儀直後〜四十九日まで使用
- 本位牌(塗・唐木位牌):四十九日以降に作成し長期使用
宗派差
- 浄土真宗:位牌の代わりに過去帳を用いる
- 日蓮宗・曹洞宗など:位牌が追善供養の中心
処分が難しい理由
- 一般ゴミとして廃棄できない(宗教儀礼や地域ルールの観点で不可とされることが多い)
- 魂抜き(閉眼供養)など宗教儀礼が必要になる場合がある
3. 選択肢①:自宅で祀り続ける
自宅で祀り続ける方法は、祖父母世代からの慣習を継承しやすく費用負担が少ない点が魅力です。
メリット
- 仏壇があれば追加費用ほぼゼロ
- 毎日手を合わせられる安心感
デメリット
- 置き場所・湿度管理が必要
- 将来の承継負担が残る
最近はモダン仏壇やミニ仏壇(2万円台〜)が登場し、リビングに違和感なく設置可能です。長期保管時は月1回の乾拭きとシリカゲルでカビ防止を徹底しましょう。
4. 選択肢②:お寺や霊園で永代供養に預ける
永代供養は、寺院・霊園が遺族に代わって位牌や遺骨を長期管理・供養するサービスです。
確認すべき3ポイント
- 供養期間:33回忌・50回忌・永年など
- 供養方法:月命日読経付き/合同法要のみ 等
- 最終処遇:合同位牌へ合祀・お焚き上げ など
費用の目安:一霊 3万〜50万円(都市部は高め)
申込時は改葬許可証や閉眼・開眼法要の日程調整が必要となるため、1か月前には菩提寺へ相談を開始しましょう。
5. 選択肢③:閉眼供養後にお焚き上げ・合祀処分する
位牌を物理的に手放したい場合は「閉眼供養 → お焚き上げ」が一般的です。
- 依頼先:寺社仏閣/業者(宅配便対応あり)
- 費用:閉眼供養料+5千〜3万円(位牌サイズ・材質で変動)
- 注意点:合同合祀塔へ納めると個別参拝ができなくなる
- 必要書類:申込書・位牌写真・施主身分証の写し など
- 証明書:供養証明書(PDF可)を発行してくれると報告が楽
6. 三つの選択肢の費用と手間を比較
7. 選択の決め手となる三つの視点
8. 手続きチェックリスト|準備書類とスケジュール感
- 改葬許可証/埋蔵証明書(市区町村役場)
- 位牌の魂抜き依頼(菩提寺へ)
- 永代供養契約書の確認
- 閉眼供養布施(目安3万〜5万円)と供物手配

9. よくある質問(FAQ)
Q:位牌の戒名を修正したい場合は?
A:塗師・蒔絵師の塗り直しで対応可(目安1万〜3万円)。修正後は再度開眼供養を行うと安心です。
Q:仏壇を処分するタイミングは?
A:位牌移動後に仏壇じまい(閉眼供養)を行い、同日にお焚き上げすると布施を一本化できる場合があります。
Q:位牌を別の寺院へ移動しても問題ない?
A:旧寺院・新寺院双方の了承があれば可能なことが多いです。移動前に閉眼供養、移動後に開眼供養を行うのが一般的です。
Q:夫婦や兄弟の位牌を一つにまとめたいが?
A:連名位牌を新調しまとめて彫刻する方法が主流です(目安3万〜5万円)。寺院の内規がある場合があるため事前相談を。
10. まとめ|家族の想いと現実的負担を両立させる
位牌は木片以上の精神的価値を持ち、「家の歴史」を次世代へリレーする象徴です。家族の想い・住環境・将来負担を踏まえ、納得できる行き先を選びましょう。





