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家族が危篤と言われたら?病院からの連絡後にすべきこと・準備のポイント

1. はじめに|突然の連絡に戸惑うあなたへ

「お身内の方が危篤です。すぐに来ていただけますか」。そんな一報が突然届いたら、誰でも動揺し、頭が真っ白になるものです。特に普段は元気だった家族が急変した場合、その衝撃は計り知れません。

しかし、危篤の連絡は「命の限界が近いこと」を意味しており、最期の時間を共に過ごせるかどうかの瀬戸際でもあります。この記事では、突然の連絡にどう対応すればよいのか、何を持っていけばいいのか、どのような心構えで臨むべきかを丁寧に解説します。

 

2. 危篤とはどういう状態か?|医師の説明を正確に理解する

「危篤」とは、回復の見込みが極めて低く、生命維持が困難な状態を指す医療用語です。呼吸、心拍、意識レベルが著しく低下しており、生命の維持にかかわる重大な局面にあることを示しています。

医師から「危篤」と伝えられたら、まずはしっかりと話を聞きましょう。聞き慣れない医療用語が多く出ることもありますが、わからない点はその場で遠慮なく質問することが大切です。

「あとどれくらいなのか」「意識はあるのか」「話しかけることはできるか」など、知りたいことを整理しておきましょう。また、説明内容はできる限りメモを取り、他の家族と共有しましょう。

 

3. 連絡を受けたら最初にすべきこと|移動・同行者・持ち物の確認

連絡を受けたら、速やかに病院へ向かう準備に取りかかりましょう。その際、以下のステップを参考にしてください。

【移動手段の確保】
・車があればすぐに出発。気が動転して運転に自信がない場合はタクシーを手配。
・遠方の場合は新幹線や飛行機の手配が必要。交通状況や最終便の確認も重要。

【同行者の確認】
・家族の中で他に連絡が必要な人を洗い出し、役割分担。
・親戚、本人の親しい友人、兄弟姉妹など、可能な限り早く連絡。

【持ち物リスト】
・身分証明書、保険証
・携帯電話と充電器
・筆記用具、メモ帳
・着替え、洗面セット(長時間または泊まりがけに備える)
・現金とクレジットカード(交通費や食事代に)

これらを準備したうえで、できる限り冷静に病院へ向かいましょう。

 

4. 病院でできること|付き添いと心の支えのあり方

病室に着いたら、まずは本人の様子を確認しましょう。もし意識があるようなら、できるだけ落ち着いて声をかけてあげてください。耳が聞こえている場合も多く、「来たよ」「心配しないでね」「そばにいるから大丈夫だよ」と穏やかに語りかけるだけで、大きな安心を与えることができます。焦らず、ゆっくりと語りかけることが大切です。

意識がない場合でも、触れることの力は大きいと言われています。手を握る、そっと背中に手を添える、髪に触れるといった行動が、ぬくもりとして伝わり、本人にとっても、見守る側にとっても心の落ち着きにつながります。涙を見せても構いません。無理に言葉を探さず、ただ静かに寄り添うことも、かけがえのない時間になります。

また、医師や看護師が訪室した際は、遠慮せず状況を確認し、必要であれば今後の流れ(容態の変化、面会時間の制限、延命処置の選択など)について相談しましょう。特に不安な点があれば、率直に聞くことが大切です。「他の家族にどう説明すればいいか」「今何をしてあげられるか」などの具体的な相談も、医療スタッフは親身に応じてくれます。

 

5. いざという時のための事前確認事項

本人が望む医療の在り方や信仰、家族としてどこまでの医療措置を希望するのか、こうした繊細な内容は、事前に話し合えていないケースも少なくありません。とはいえ、実際に危篤の場面を迎えたとき、判断を迫られるのは残された家族です。後悔のない選択をするためには、元気なうちから家族で共有しておくべき事項を整理しておくことがとても重要です。

以下の項目は、病状が安定しているうちに確認・記録しておくことをおすすめします

 ・延命治療の可否(気管挿管、人工呼吸器、心肺蘇生など)
宗教儀式や葬儀形式の希望(仏式・神式・キリスト教・無宗教など)
葬儀社の指定や事前契約の有無(生前契約プランを結んでいる場合も)
遺影用の写真の候補(本人の納得いく写真があるか確認)
銀行口座・年金・生命保険・不動産の情報(名義や通帳の保管場所)

加えて、「誰に連絡してほしいか」「どのような形式で見送られたいか」といった本人の希望メモを残しておくことも有効です。これはエンディングノートに記す形でも、口頭で家族に伝えておく形でも構いません。

これらの情報を紙にまとめて保管する、もしくは家族グループLINEなどの限定共有フォルダに保存しておけば、急変時の混乱を減らし、落ち着いて対応する助けになります。

 

6. 危篤状態が長引く場合に備えて

危篤状態が数日間続くこともあり、その間の看病は肉体的・精神的に大きな負担となります。特に夜通しの付き添いや不規則な食事・睡眠が続くと、看病する側の体調が崩れてしまうこともあります。無理をせず、家族間で交代制を組む、一定時間ごとに休息のタイミングを確保するなど、継続的な看護に耐えられる体制を整えることが重要です。

また、遠方から駆けつけた家族にとっては、宿泊場所の確保が切実な問題になります。病院周辺のビジネスホテルやカプセルホテル、ウィークリーマンションなどを事前にリストアップしておくと安心です。病院のソーシャルワーカーや医療相談員に尋ねることで、患者家族向けの割引制度や提携宿泊施設を紹介してもらえることもあります。

さらに、長期化する可能性がある場合は、職場や学校への対応も重要です。「家族が危篤で、付き添いが必要なためしばらく休みます」と、早めに伝えておくことで、職場側も業務の調整がしやすくなります。介護休暇や有給休暇の活用も視野に入れ、働きながら家族を支える方法を上司や人事担当と相談しておくと良いでしょう。

看病する側もまた「心の余裕」がなければ長丁場には耐えられません。焦らず、周囲に頼りながら、心身のバランスを大切にしましょう。

 

7. 最期のときに備える|心と手続きの準備

最期のときは、想像以上に慌ただしく、感情と手続きの狭間で揺れ動く時間でもあります。その中でも冷静に対応できるよう、あらかじめ知っておくべき基本的な流れや準備すべき項目を押さえておきましょう。

 ・死亡診断書の発行を医師に依頼(通常は死亡確認後に医師が作成し、家族へ渡されます)
遺体搬送の手配(葬儀社が行います。入院先から自宅または葬儀場への移送ルートを想定しておくとスムーズです)
死亡届の提出(死亡診断書とともに市区町村役場へ7日以内に届け出。通常は葬儀社が代行)
火葬許可証の取得(死亡届を提出後に交付され、火葬場で必須となります)

また、故人とのお別れの際に写真撮影をするか、どのような言葉をかけるかといった「見送り方」は、家族によって価値観が異なるものです。「静かに見送りたい」「思い出を形に残したい」などの希望がある場合は、事前に話し合い、家族間で共有しておくとトラブルを避けやすくなります。

さらに、葬儀の宗教形式(仏式・神式・無宗教など)やお坊さんの手配の有無、棺に入れたい物品なども早い段階で確認できていれば、より安心して「そのとき」を迎えることができます。

 

8. まとめ|大切な人と向き合う時間を悔いなく過ごすために

家族が危篤という事実に向き合うのは、とても辛く、簡単なことではありません。しかし、その最期の時間をどのように過ごすかは、今後の心の支えにもなります。

必要な手続きを把握しつつも、「そばにいること」「想いを伝えること」「感謝を言葉にすること」を忘れないでください。

忙しさの中にも、愛情や敬意がにじむ時間をつくることで、後悔の少ない別れを迎えることができるでしょう。あなたと大切な人との絆が、静かに温かく結ばれていくことを願っています。

 

 

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