死亡後の手続きチェックリスト|必要な届け出・相続・名義変更まで

大切な家族や親族が亡くなった際、悲しみの中で多くの手続きを進めなければなりません。死亡後の手続きは複雑で期限もあるため、しっかりと理解しておくことが重要です。本記事では死亡後に必要な手続きを網羅的にまとめました。手続きの流れとポイントを押さえて、スムーズに進めていきましょう。
死亡直後に行う手続き
医師からの死亡診断書・死体検案書の取得方法
まず最初に行うのは、死亡診断書または死体検案書の取得です。病院で亡くなった場合は担当医から死亡診断書を、事故などで亡くなった場合は警察医から死体検案書を受け取ります。これらの書類は今後の手続きに不可欠です。
死亡届の提出手続きと期限
死亡診断書または死体検案書を受け取ったら、死亡届を市区町村役場に提出します。提出期限は死亡を知った日から7日以内です。提出者は親族や同居人などで、届出人の印鑑が必要となります。
遺体の安置場所と搬送手配
遺体を自宅や斎場に安置するための手配を行います。葬儀社に依頼すると、遺体の搬送や安置場所の準備をスムーズに進められます。
葬儀・告別式の準備と進め方
葬儀社の選び方と注意点
葬儀社はサービス内容や費用が異なるため、複数社から見積もりを取ることをおすすめします。費用の内訳や追加料金の有無、スタッフの対応などを含む口コミを比較して選びましょう。
葬儀の形式(仏式・神式・無宗教)と費用相場
葬儀の形式には仏式、神式、無宗教などがあります。宗教や故人の意向に合わせて選択します。費用相場は形式や規模によりますが、全国平均で約200万円とされています。
通夜・告別式の日程調整と関係者への連絡
葬儀の日程は親族や関係者の都合を考慮して決定します。決定後は電話やメールで速やかに連絡し、葬儀案内状を送付します。
公的機関への各種手続き
健康保険・介護保険の資格喪失手続き
故人が加入していた健康保険証や介護保険証を市区町村役場や保険者に返納します。未払いの保険料や給付金がある場合は精算が必要です。
年金受給停止の手続きと未支給年金の請求
故人が年金を受給していた場合、年金受給停止手続きを行います。日本年金機構や共済組合に連絡し、必要書類を提出します。また、死亡月分までの未支給年金を遺族が受け取ることができます。
住民票の除票と戸籍の届出
市区町村役場で住民票の除票手続きを行います。これにより、故人の住民登録が抹消されます。併せて、戸籍謄本や除籍謄本を取得しておきましょう。
金融機関・クレジットカードの対応
銀行口座の凍結と相続手続きの流れ
金融機関は故人の死亡を知ると口座を凍結します。相続人は銀行に連絡し、相続手続きを開始します。必要書類は死亡診断書のコピー、相続人全員の戸籍謄本、遺産分割協議書などです。
クレジットカードの解約とポイントの扱い
故人名義のクレジットカードは速やかに解約します。カード会社に連絡し、必要書類を提出します。未払い金がある場合は精算が必要です。ポイントは原則として失効しますが、カード会社によっては相続できる場合もあります。
未払いの借入金・ローンの確認と対応
故人の借入金やローンがある場合、相続人が返済義務を負います。債務の状況を確認し、必要に応じて相続放棄を検討します。
保険金・給付金の請求手続き
生命保険の保険金請求方法と必要書類
生命保険の受取人は、保険会社に連絡して保険金請求手続きを行います。必要書類は死亡診断書、保険証券、受取人の本人確認書類などです。
損害保険・共済の給付金請求手続き
損害保険や共済も同様に給付金の請求が可能です。手続き方法は各保険会社や共済団体に確認しましょう。
医療費の高額療養費制度の申請
故人が高額な医療費を支払っていた場合、高額療養費制度を利用して払い戻しを受けられます。申請期限は診療月の翌月から2年間です。
相続手続きの流れと進め方
遺言書の有無の確認と検認手続き
まず、遺言書の有無を確認します。自筆証書遺言が見つかった場合は、家庭裁判所で検認手続きを行います。検認をせずに開封すると、5万円以下の過料が科せられることがあります。
法定相続人の確定と戸籍謄本の収集方法
相続人を確定するために、故人の出生から死亡までの戸籍謄本と、相続人全員の戸籍謄本を収集します。これにより、法定相続人を明確にします。
相続財産の調査と評価(不動産・預貯金・有価証券)
相続財産を正確に把握するために、不動産登記簿謄本、預貯金残高証明書、有価証券の明細などを集めます。専門家に依頼して財産評価を行うと、相続税の計算が容易になります。
相続放棄・限定承認の手続きと期限
相続人が債務超過などの理由で相続を放棄したい場合、相続開始を知った日から3か月以内に家庭裁判所で相続放棄または限定承認の手続きを行います。
遺産分割協議の進め方と遺産分割協議書の作成
相続人全員で話し合い、遺産の分割方法を決定します。遺産分割協議書を作成し、全員が署名・押印します。協議が整わない場合は、家庭裁判所で調停や審判を行います。
相続税の申告・納付手続きと受けられる制度
相続税の申告・納付期限は相続開始を知った日から10か月以内です。控除や特例を活用しましょう。また、税理士に相談すると、適切なアドバイスが受けられます。
不動産・自動車などの名義変更
不動産の相続登記手続きと必要書類
不動産を相続する場合、法務局で相続登記を行います。必要書類は遺産分割協議書、相続人全員の戸籍謄本、印鑑証明書などです。
自動車の名義変更・廃車手続きの方法
自動車の名義変更は陸運局で行います。必要書類は車検証、遺産分割協議書、相続人の本人確認書類などです。不要な場合は廃車手続きをします。
株式・投資信託の名義変更手続き
証券会社に連絡し、名義変更の手続きを行います。必要書類は死亡診断書のコピー、相続人の戸籍謄本、遺産分割協議書などです。
公共料金・通信サービスの解約・変更
電気・ガス・水道の解約・名義変更手続き
各公共料金の窓口に連絡し、解約または名義変更を行います。最終利用日を伝え、料金の精算を行います。
携帯電話・インターネット回線の解約
通信サービス提供会社に連絡し、解約手続きを行います。未払い料金や解約金の確認も忘れずに。
NHK受信料や新聞購読の解約手続き
NHKや新聞社に連絡して、解約手続きを進めます。過払い分の返金がある場合もあります。
各種会員サービス・サブスクリプションの対応
有料会員サービス(ジム・習い事)の解約
ジムや習い事などの有料会員サービスは、各施設に連絡して解約手続きを行います。解約金や未払い料金の確認も必要です。
オンラインサブスクリプション(動画・音楽配信)の解約
故人が利用していたオンラインサービスは、各サービスのサポート窓口に連絡して解約します。自動更新の有無もしっかり確認しましょう。
ポイントカード・マイルの確認と手続き
ポイントカードや航空マイルは、相続できる場合があります。各社の規約を確認し、手続きを進めます。
デジタル遺産の整理と対応
SNSアカウントの削除・追悼アカウント化
FacebookやTwitterなどのSNSアカウントは、各プラットフォームの手続きに従って削除または追悼アカウント化します。
メール・クラウドサービスのデータ管理
故人のメールやクラウドサービスのデータは、必要に応じてバックアップを取ります。各サービスの規約に従って対応します。
オンラインバンキング・電子マネーの確認と対応
オンラインバンキングや電子マネーの残高を確認し、解約または相続手続きを行います。
資格証・免許証の返納手続き
運転免許証の返納方法
最寄りの警察署や運転免許センターで運転免許証の返納を行います。死亡診断書や戸籍謄本が必要です。
パスポート・マイナンバーカードの返納手続き
パスポートは発行元の旅券事務所に、マイナンバーカードは市区町村役場に返納します。
各種資格証(医師免許・教員免許)の対応
専門職の資格証は、それぞれの主管庁に返納または届け出を行います。
その他の重要な手続きと注意点
未支給の給与・退職金の請求方法
故人が勤務していた会社に連絡し、未支給の給与や退職金の請求手続きを行います。必要書類は死亡診断書、相続人の戸籍謄本などです。
ペットの飼育引継ぎと登録変更
ペットを飼っていた場合、新たな飼い主を決め、登録情報の変更を行います。
貸金庫・賃貸物件の解約と原状回復
貸金庫がある場合は、金融機関に連絡して中身を確認します。賃貸物件は大家や管理会社に連絡し、解約と原状回復を行います。
手続きのサポートと専門家への相談
行政書士・司法書士・弁護士の役割と選び方
手続きが複雑な場合は、専門家に相談することをおすすめします。行政書士は許認可や書類作成、司法書士は登記手続き、弁護士は法律問題全般を扱います。
税理士による相続税対策と申告サポート
相続税の申告は税理士に依頼すると、節税対策や正確な申告が可能です。
信頼できる葬儀・相続サポート業者の見極め方
口コミや実績、費用の透明性などを基に、信頼できる業者を選びましょう。
まとめ
死亡後の手続きは多岐にわたり、期限もあるため計画的に進めることが重要です。本記事のチェックリストを活用して、漏れのないよう手続きを行ってください。また、心身の負担を軽減するためにも、専門家への相談を積極的に検討しましょう。遺された遺族が安心して新たな一歩を踏み出せるよう、本記事を書かせていただきました。
葬儀のこと、お墓のこと、終活のことなど何でもお気軽にご相談ください。