大切な家族を弔う~ペットが亡くなったときの対応と永代供養
昔から動物は、人間の良きパートナーであり続けています。
かつては「ネズミをとるため」「狩りに役立てるため」という実利的な目的でパートナーとされていた動物たちですが
現在は「動物そのものの愛らしさ」「ペットのかわいらしさ」から、動物とともに過ごす人が大半でしょう。
このように、「パートナーとしての動物」のあり方が変わってくるなかで、
ペット=家族であると考える人も増えてきました。
そしてそのような考え方の変化は、「ペットの弔い方」にも現れています。
<息を引き取ったペットの基本~届出について>
保健所衛生課又は各特別出張所に飼い犬の死亡届を提出する必要がございます。
※各自治体から電子申請による手続きも可能です。
人間が亡くなったときも死亡届が必要ですが、犬の場合もまた、この届出が必要となるのです。
これには明確な理由があります。
日本では、犬を飼う場合には狂犬病の予防管理が求められます。
狂犬病は、イヌからヒトに対して感染することも確認されている恐ろしい病気であり、
ほんの一部の特例を除き、り患=死、です。有効な治療方法はなく、
ヒトにり患した場合、1~3か月程度で死に至ります。かつてはこの狂犬病で、多くの人が命を失いました。
しかしこの狂犬病は、ワクチンを打つことで予防することができます。
犬の登録と予防接種、そして野犬の取り締まりにより、日本においてはわずか7年で狂犬病を撲滅させました。
狂犬病を予防するための方法として、
「犬を飼った場合は届出を行うこと」が定められているため、犬が亡くなった場合はその旨を届ける必要があるわけです。
なおこれはあくまで「犬」に限られる話です。
猫や鳥などのほかの一般的なペットにおいては、届出の必要はありません。
▼▼詳細はこちら▼▼
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou10/
出典;厚生労働省「狂犬病」
<命を引き取った大切なペットはどうなるの?>
ペットが亡くなると、少しずつ冷たくなり、硬直していきます。
内臓は少しずつ腐敗が進んでいき、ガスが充満することで、
鼻や口、肛門などから体液や血が出てきます。
残念なことに、生前のような輝きは失われていきます。
棺に納め、タオルやブランケットを敷き、
ご遺体をそっと安置します。
お腹や首元に保冷剤を当てて、少しでも腐敗を防ぎましょう。
できる限り涼しい場所に安置することも大切です。
<ペットが息を引き取ったときに、「火葬」という選択肢を選んだ人は75パーセント以上>
「子どものころは、ペットが死んだときは家の庭に埋めた」という経験をしたことのある人もいるのではないでしょうか。。。
実際、「自宅の庭に埋めて供養していく」という方法は、それほど珍しいことではありません。
自宅の庭に埋めて小さな墓標を立てて、そこから芽吹く花にペットを重ねることができるでしょうし、
いつでもペットが見守ってくれているように感じることもできるでしょう。
費用面での負担も少ないうえ、「自分たちの手で、愛したペットを埋葬すること」はひとつの喪の儀式ともなりえます。
ただ、現在では「火葬によってお見送りする」という方法を選ぶ人が増えているということは知っておいた方がいいかもしれません。
イオンペット株式会社が2020年にとったアンケートでは、
「ペット霊園で火葬した」と答えた層が61.3パーセントと過半数を超えました。
これに、「移動式の火葬車で火葬をした」の14.4パーセントを合わせると、
実に75パーセント以上の層が、ペットを人間と同じように「火葬」というかたちで供養していることが分かります。
(※「供養」は本来は仏教用語ですが、ここでは一般的な語句として利用していきます)。
「自宅の庭に埋めた」は14.4パーセント、「自治体に持っていった」が8.1パーセントですから、
今や「火葬」はペットが亡くなったときに選ぶ選択肢として非常にスタンダードなものだといえます。
PRTIMES(イオンペット株式会社)
「ペットが亡くなった後、火葬する人は約76%!?
~ペットの火葬・葬儀ができる霊園検索サイト“メモリアルなび”が犬もしくは猫を亡くした経験のある方111人にアンケート調査を実施~」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000048150.html
<ペットの永代供養、その種類と考え方1~手元供養>
「亡くなったペットの永代供養をしたい」と考えたとき、その方法は、
・手元供養
・お墓や納骨堂を利用する
・人間と一緒に埋葬する
の3通りに分けられます。ここではまず、「手元で永代供養する方法」を取り上げます。
現在はペット用の仏壇も多く売られています。これらを購入し、
ペットのお骨を納めてずっと手を合わせ続けていくのも、ペットの永代供養だといえます。
現代的でかわいらしい仏壇もたくさんあるうえ、
生前と変わらぬかたちで愛するペットとともに過ごせるということで人気のある供養形態だといえます。
また、ペットの遺影を飾ることができるものもあります。
人間の仏壇においては、「お供え物」として水や食べ物を飾ることも多いといえますが、
ペット用の仏壇でもそれができるようになっているものもあります。
ペットが好きだったエサと四季折々の花を飾っていくことで、飼い主の心も慰められるでしょう。
また、「遺骨アクセサリー」を作ることもできます。
これは人間が亡くなったときにも選ぶことができる選択肢です。
遺骨の一部を砕いてアクセサリーのペンダントトップなどに入れる方法であり、
愛するペットや愛する故人とずっと一緒にいられるのが魅力です。
仏壇やお墓・霊園は、四季折々の多少の変化こそあれ、「新しい景色」を見ることはできません。
しかし遺骨アクセサリーというかたちを選べば、「飼い主が足を運ぶ場所」の景色を楽しむことができます。
「愛するペットをいろいろなところに連れていきたい」と考える人は、この「遺骨アクセサリー」という選択肢を選ぶのも良いでしょう。
なお、「遺骨アクセサリー」としていますが、周りから見たときにそれが「遺骨を使ったアクセサリーである」とわかることはほぼありません。
一般的なアクセサリーと同じように使えます。
<ペットの永代供養、その種類と考え方2~ペット霊園のお墓や納骨堂>
「人間と同じように供養していきたい」と考える人には、ペット用の霊園での供養をおすすめします。
ペットの供養の場合も、人間の供養と同じように、
「個別に墓地を設けて供養を続けていくか、それとも合同で供養するか」を選ぶことができます。
「永代供養」という言葉の定義づけはなかなか難しいのですが、特に後者の「合同で供養する方法」を「永代供養」とすることもよくあります。
個別のお墓の場合、そのペットのためにだけお墓を建てることになります。
お金はかかりますが、ほかのペットのお骨と混ざりあうことがなく、自分たちのペットだけと向かい合っていくことができます。
対して合同で供養する場合は、「ほかのペットの遺骨と一緒に埋葬すること」が前提となります。
お骨は混ざり合ってしまいますが、手を合わせることは可能です。
「一匹だけで埋葬したら寂しがるかもしれない」と考えるのであれば、この方法を選ぶとよいでしょう。
なおここでは「お墓」として紹介していますが、実際には「お墓」以外の選択肢もあります。
たとえば樹木葬であったり、納骨堂であったりという選択肢を選ぶこともできます。
また、ペットの永代供養墓は、「ペットのための霊園」にだけ存在するものではありません。
人間用の霊園に、「ペットの永代供養墓」が作られていることもあり、そこに埋葬することもできます。
なお、ペット霊園を運用している業者のなかには、「火葬も行っている」としているところも多くみられます。
このため業者を選ぶことで、火葬~埋葬までワンストップで供養までを行うことができるようになります。
ペットの霊園に関しては、霊園ごとでプランに大きな違いがあります。
また、何をもって「永代供養」とするかも解釈が異なってきますから、必ず霊園に問い合わせるようにしてください。
そのときには、
・個別で埋葬したいのか、それとも合同で埋葬したいのか
・お墓を利用したいのか、納骨堂を利用したいのか、それともそれ以外の方法を利用したいのか
・お参り時間に制限はあるのか
・火葬は行っているのか
・料金はいくらか
を確認するとよいでしょう。
<ペットの永代供養、その種類と考え方3~人間と一緒に埋葬する>
「ペットだけで眠らせたくない。息を引き取った後もずっとずっと一緒にいたい」と考える人もいることでしょう。
そのような人の場合、「人間と一緒に埋葬する方法」を選ぶことになります。
ペットと一緒に入ることのできるお墓は、それほど珍しいものではありません。
人間と一緒にペットのお骨を入れることは、法律上、何の問題もないからです。
樹木葬の場合などは特に、「個別のスペースを契約して、そこに人のご遺骨とペットのお骨を一緒に入れる」などの方法をとりやすくなっています。
これをひとつのウリとして、樹木葬のスペースを売り出している業者も多くみられるほどです。
樹木葬の場合は永代供養を前提としているところも多いため、
「永代供養付き」と謳っている樹木葬を選べば、そのままペットも永代供養となると解釈されることが多いといえます。
なお、一般的なお墓であっても、ペットと一緒に入ることができる場合もあります。
ただお寺が運営する墓地の場合は、ペットと一緒に眠ることができないところもあります。
ペットは仏教では「畜生」にあたるわけですから、人間と一緒には入れられないとしているところもあるのです。
もっとも現在ではこのあたりのしばりは非常にゆるやかになっています。
そのため、寺院の運営する墓地であっても、「ペットも一緒に入ることができる」としているところも多く見られます。
「菩提寺の墓地に、すでに先祖代々のお墓がある。そこに私とペットと一緒に入りたい」などのように考えている場合は、一度その菩提寺に尋ねてみるとよいでしょう。
また、埋葬の順番についても注意が必要です。
基本的に、人間と一緒のお墓(あるいは樹木葬)にペットも一緒に埋葬できるとしているところであっても、
「先にペットだけを入れて、人間が命を引き取った後に人間が入る」というやり方は許可していないと考えてください。
人間が入っているお墓の中にペットのお骨を入れることはできても、
ペットのお骨だけを先に入れてその後に人間が入ることはできないケースが大半なのです。
このような場合は、まずはペットのお骨を手元で供養し続け、飼い主の納骨時にペットのお骨も一緒に入れるというやり方をとることになります。
今やペットは、「人間にとって利のある道具」ではなくなりつつあります。
もちろん経済動物などの存在は無視できませんが、こと「ペット」に限って話すとき、
人はそこに「家族」「心のつながり」を見出します。ペットが生きがいとなり、
ペットが救いとなり、ペットが安らぎとなる人も多いことでしょう。
このように「家族」としての意味を持ちうるペットに対して、
「亡くなった後も安らかであるように」と願い永代供養という選択肢を選ぶ人が出てきたのも当然のことだといえます。
そして現在は、そんな人のニーズに応えられる数多くの選択肢があるのです。
ペットの為のお墓。
ぜひ、リーフログでご検討ください。
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