喪中にお中元・お歳暮を贈るのはOK?マナーと注意点を解説
1. はじめに|喪中と贈答マナーの関係とは?
お中元やお歳暮は、日頃の感謝の気持ちを伝える日本独自の習慣です。しかし、喪中の期間にあたると「贈ってもいいのか」「相手に失礼ではないか」と迷う方も少なくありません。特に年末年始の贈答は、「祝いごと」のイメージもあるため、慎重な判断が求められます。本記事では、喪中の時期にお中元・お歳暮を贈る際のマナーや注意点を解説します。大切なのは形式ではなく、相手への心配りです。
日本では「喪中=何もしてはいけない」というイメージが先行しがちですが、本来は故人への哀悼の意を大切にしながらも、残された人同士のご縁を大切にする期間でもあります。お中元やお歳暮もその一環と捉え、「思いやりを形にする方法」として再確認するのもよいでしょう。
2. 喪中にお中元・お歳暮を贈るのはNG?OK?基本の考え方
喪中とは、身近な家族が亡くなってから一定期間、喪に服する期間を指します。一般的には一年間とされ、祝い事や派手な行動を控えるのが通例です。ただし、喪中であってもお中元やお歳暮を「贈ること自体」はマナー違反ではありません。注意すべきなのは「誰に」「どのように」贈るかという点です。
たとえば、相手が喪中である場合、その時期にあえて贈ることが失礼にあたる場合があります。反対に、送り手が喪中でも贈られる側が特に気にしない方であれば、通常通り贈っても問題はありません。双方の関係性や、相手の気持ちに対する想像力が大切です。
また、地域や宗教によって喪中の捉え方も異なります。仏教、神道、キリスト教など宗派ごとの違いもあり、一律のルールで判断するのは難しいのが実情です。贈る前に状況をさりげなく確認できると、より丁寧な対応につながります。
3. 贈ってもよいとされるケースとは?
喪中であっても、以下のような状況においては、相手に配慮しつつ贈答を行うことがマナー違反とはなりません。
- 故人と贈り先に直接的な関係がない場合
→たとえば、会社関係や取引先など、先方が故人と面識がなく喪中の影響を受けていない場合は、通常通り贈っても問題ないとされています。
- お付き合いが続いている仕事関係や親族への定期的な贈答
→毎年恒例となっている場合、今年だけ贈らないことの方が気にされるケースもあります。「変わらぬ感謝の気持ち」として受け止められることが 多いでしょう。
- 相手の生活に役立つ実用品など、気遣いが感じられる内容
→食品や消耗品など実用的な贈り物は、気負わず受け取ってもらえるため好まれます。選ぶ際は包装や価格帯に配慮をし、落ち着いた印象に仕上げ ることが大切です。
また、タイミングとしては、四十九日が過ぎてからの方が相手も気持ちの整理がついている場合が多く、受け取りやすくなります。贈る際には「感謝の気持ち」や「日頃のお礼」を強調し、「お祝いごと」と誤解されないような表現と品選びを心がけましょう。むしろこのような気遣いが、相手との信頼関係を深める機会となることも少なくありません。
4. 控えるべきケースとその理由
一方で、以下のようなケースでは、贈答を控えるか慎重に判断する必要があります。
- 四十九日が明けていない時期
→仏教では「忌中」とされるこの期間は、遺族が故人を偲び、葬送の一連の儀式を終えるまでの大切な時間です。この間に贈り物が届くと、弔いの最 中に水を差す印象を与えてしまうことがあります。
- 相手が深い悲しみにあると想定される直後
→精神的に不安定な時期に贈答を受けることで、かえって負担や困惑を招くことがあります。特にメールや電話での確認もなく突然届くと、「気遣い 不足」と受け取られる可能性もあります。
- 華美な贈答品やメッセージを添えた場合
→明るい色調の包装や、「お喜び申し上げます」など慶事向けの言葉は、喪中には不適切です。形式的なミスでも、相手の気持ちに水を差してしまう 恐れがあるため、慎重に言葉選びをする必要があります。
このように、タイミングを誤ると、良かれと思って贈ったものが負担や誤解を招く恐れがあります。可能であれば事前に相手の状況を確認したり、贈る時期をずらしたりするなどの配慮が大切です。相手への心遣いこそが、マナーの本質といえるでしょう。
5. 贈る際の表現・言葉選びの注意点
喪中に贈る際は、言葉選びにも注意が必要です。たとえば「お祝い」「お喜び」などの華やかな表現は避け、「日頃の感謝を込めて」や「お世話になっております」といった柔らかい表現を使いましょう。特に添える手紙や一筆箋の内容には心を込めた配慮を忘れずに。形式的な文言ではなく、相手への思いやりが伝わる言葉が望ましいです。
6. おすすめの品物と避けたい品物
贈り物の内容にも、喪中であることを踏まえた細やかな気遣いが求められます。派手さを避け、実用性と落ち着きを重視することが大切です。
【おすすめの品】
- 日用品(洗剤、食品、タオルなど)
→消耗品であり、相手の生活に役立つため、気兼ねなく受け取ってもらいやすい。
- 地味で落ち着いたパッケージのもの
→無地や淡い色調の包装が望ましく、弔意の期間であることに配慮した印象を与えます。
- 季節感があるが華美でないもの
→お歳暮の場合は、冬の保存食品や温かい飲み物などが喜ばれやすい。華やかすぎないことがポイントです。
【避けた方がよい品】
- お酒や祝い菓子など、お祝いの象徴となるもの
→紅白まんじゅうやシャンパンなどは「祝い」の印象が強いため、喪中の贈答には不適切です。
- 赤や金など派手な包装の品物
→視覚的に華美な包装は、相手に不快感を与える可能性があります。特に「慶事用」と受け取られる色合いは避けましょう。
- 高価すぎる贈り物(相手の負担を招く可能性あり)
→受け取った側が「お返ししなければ」と気を使うことがあるため、控えめな価格帯が無難です。
喪中の時期には、「豪華さ」よりも「実用性」と「控えめな心遣い」を優先しましょう。形式にとらわれすぎず、相手の立場に配慮した選び方が、真のマナーです。
7. 熨斗(のし)・包装はどうする?マナーの基本
熨斗(のし)については、喪中の贈答では「のし無し」または「白無地の短冊」を用いるのが一般的です。水引は「結び切り」の白黒か銀を選び、表書きには「御礼」「粗品」「志」など、控えめな表現を選びましょう。また、包装紙も落ち着いた色合いを選び、派手なリボンや飾りは避けることがマナーです。
8. 手紙や一言添える場合の文例集
【文例1:贈る側が喪中の場合】
「このたびは私事ながら不幸があり、新年のご挨拶を控えさせていただきますが、日頃の感謝の気持ちを込めて心ばかりの品をお届けいたします。」
【文例2:相手が喪中の場合】
「ご不幸をお聞きし、心よりお悔やみ申し上げます。時節柄ご多忙のことと存じますが、どうかご自愛くださいませ。」
9. 実際にあった声・トラブル・気遣いの例
喪中の贈答をめぐって、実際に次のような声が聞かれます。
- 「亡くなった直後に届いたお歳暮が負担だった」
- 「心遣いのある品と手紙に、逆に励まされた」
- 「贈る前に電話で一言あったことがありがたかった」
たとえば、ある方は、亡くなったご家族の四十九日を終えた直後に職場の同僚からお歳暮が届き、最初は戸惑ったものの、落ち着いた品と丁寧な文面に気持ちが和らぎ、ありがたく感じたそうです。また、贈る前に一言「今年は喪中ですが、感謝の気持ちをお届けしたく…」という電話があったことで、形式的なやりとりではない真心を感じることができたという声もあります。
10. まとめ|喪中でも「気遣い」は伝えられる
喪中であっても、贈り物を通じて感謝の気持ちや思いやりを伝えることは可能です。ただし、時期や言葉、品物に細やかな配慮が必要です。相手の立場に立って判断し、礼節を持って対応することで、かえって信頼関係が深まることもあります。「マナー」は形だけのものではなく、思いやりの表現です。この記事が、喪中時の贈答に悩む方の一助となれば幸いです。




