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喪中はがきの書き方とマナー|送る時期・文例・注意点を解説

2025.10.17

1. はじめに|喪中はがきとは何か?

喪中はがきとは、身内に不幸があった際に、年賀状を控える旨を知らせる挨拶状です。正式には「年賀欠礼状」と呼ばれ、年賀状のやり取りをしている相手に対して、喪中のため新年の挨拶を控えることを伝える目的で送ります。これは、相手に対する礼儀や配慮の一環であり、年賀状のやり取りをしている方々に対して、喪中であることを知らせる重要な手段となります。

 

2. 喪中はがきを送る時期はいつが適切?

喪中はがきは、相手が年賀状の準備を始める前に届くように送るのがマナーです。一般的には、11月中旬から12月初旬までに投函し、遅くとも12月15日までに相手に届くようにしましょう。これは、年賀状の受付が12月15日から始まるため、それまでに喪中はがきを受け取ってもらうことで、相手が年賀状を送る前に喪中であることを伝えることができます。

もし、12月中旬以降に不幸があった場合や、喪中はがきを出し忘れた場合は、「寒中見舞い」として、1月8日から2月4日(立春)までの間に送るのが適切です。寒中見舞いは、寒さが厳しい時期に相手の健康を気遣う挨拶状であり、喪中はがきを出しそびれた場合の代替手段として用いられます。

 

3. 喪中はがきを出す相手と出さない相手

喪中はがきは、基本的に年賀状のやり取りがあるすべての方に送るのが原則です。これは、年始の挨拶を控えることを事前に伝えるためであり、思わぬ行き違いを避けるためにも必要な配慮といえます。ただし、以下のような場合は省略することもあります。

  • 親族:すでに訃報を知っている近親者(葬儀に参列している・日頃から交流があるなど)には、改めて喪中はがきを出す必要はないとされることが多いです。特に同居の家族や近隣に住む親族などは省略しても問題ありません。

  • 仕事関係者:プライベートな付き合いがなく、形式的に年賀状をやり取りしているような職場の同僚や取引先には、喪中はがきを出さずに年賀状を送る、あるいは一切の年賀状を控える判断をする場合もあります。会社として年賀状を出す場合は、個人の喪中を理由に欠礼することは少ない傾向です。

また、相手が喪中であるかどうかにかかわらず、自分が喪中である場合には喪中はがきを出すのがマナーとされています。たとえ相手も喪中で年賀状が来ないと予想される場合でも、礼儀として先に欠礼の旨を伝えておくと、より丁寧な対応となります。

 

4. 喪中はがきの基本的な書き方と構成

 

喪中はがきの文章は、以下の構成で書くのが一般的です。

  1. 年賀欠礼の挨拶:喪中のため新年の挨拶を控える旨を伝えます。

  2. 故人の情報:誰が、いつ、何歳で亡くなったかを記載します。たとえば「本年〇月に父〇〇が〇歳にて永眠いたしました」と簡潔に書きます。

  3. 感謝の言葉:故人が生前に賜った厚情への感謝を述べます。「生前中は格別のご厚情を賜り、深く感謝申し上げます」などが一般的です。

  4. 結びの言葉:相手の健康や幸せを祈る言葉で締めくくります。「皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます」といった文がよく使われます。

文章を書く際の注意点として、句読点を使用しない行頭の一字下げをしない忌み言葉や重ね言葉を避けるなどのマナーがあります。また、近況報告やおめでたい内容は一切含めないようにすることが大切です。文章全体に統一感を持たせ、丁寧で簡潔な表現を心がけましょう。宛名や差出人の記載にも誤りがないよう、十分に確認することが重要です。

 

5. 喪中はがきの文例紹介(印刷用テンプレート形式)

 

◆一般的な文例(故人:母)

喪中につき年末年始のご挨拶を

失礼させていただきます。

 

本年〇月〇日に 父 ○○ が

〇〇歳にて永眠いたしました。

 

生前賜りましたご厚情に

深く感謝申し上げます。

 

寒さ厳しき折 皆様のご健康と

ご多幸をお祈り申し上げます。

 

◆ カジュアルな文例(親しい友人向け/故人:母)

喪中につき 新年のご挨拶を

控えさせていただきます。

 

本年〇月に 母 ○○ が

永眠いたしました。

 

生前のご厚情に心より感謝申し上げます。

 

寒さ厳しき季節となりますが

どうぞご自愛くださいませ。

 

◆ ビジネス関係者向け文例(故人:義父)

喪中につき 年頭のご挨拶を

謹んでご遠慮申し上げます。

 

本年〇月〇日に 義父 ○○ が

〇〇歳にて永眠いたしました。

 

生前中のご厚誼に深謝申し上げます。

 

本年も変わらぬご交誼を賜りますよう

よろしくお願い申し上げます。

 

<記載補足>

  • 差出人情報(住所・氏名)は裏面下部に小さく記載するのが一般的です。

  • 行頭は一字下げなし、句読点も原則使用しないことで礼を尽くします。

  • 改行は4行〜6行でバランスよく。1行ごとに余白を少し設けて読みやすさを重視します。

  • 故人の続柄と名前、年齢などは正式な表記を心がけましょう(例:義父→義父○○、享年○○歳など)。

6. 喪中はがきを出す際の注意点とマナー

喪中はがきを作成・送付する際には、以下の点に注意しましょう。

  • 句読点を使用しない
     正式な挨拶状では、文章を区切るための句読点(「、」「。」)を用いないのが慣例です。日本古来の手紙文化に基づくマナーであり、格式を保つた  めの一環とされています。

  • 行頭の一字下げをしない
     手紙や文章で一般的に行頭を一文字下げるスタイルとは異なり、喪中はがきでは一字下げをせずに行を揃えるのが礼儀とされています。

  • 忌み言葉や重ね言葉を避ける
     「重ね重ね」「たびたび」「再び」などの繰り返し言葉や、「死」「苦」「滅」などの忌み言葉は、不幸が重なることを連想させるため避けるのが  望ましいです。

  • 派手なデザインを避ける
     背景にカラフルなイラストや装飾的な要素が入ったものは不適切です。落ち着いた色調(グレー・藍色・白地)や、蓮や百合などの控えめな植物柄  を選びましょう。

  • 近況報告やおめでたい内容は記載しない
     喪中はがきはあくまで年賀欠礼の連絡のため、お祝い事(結婚、出産、昇進など)の報告は控えます。プライベートな内容を盛り込みすぎるのも避  けましょう。

さらに注意したいのは、はがきの宛名や差出人情報の記載にも誤りがないよう丁寧に確認することです。特に、名字の漢字の誤りや故人の続柄に間違いがあると、相手に誤解を与えてしまうことがあります。

これらのマナーを守ることで、相手に対して失礼のない喪中はがきを送り、心のこもった配慮を伝えることができます。

 

7. 喪中はがきのよくある質問(Q&A)

Q1. 喪中はがきはメールやLINEでもよいですか?
A1. 基本的には郵送が望ましいです。正式な挨拶状のため、できれば紙で届けるのが丁寧です。

Q2. ペットが亡くなった場合も喪中になりますか?
A2. 一般的には該当しませんが、家族同様に過ごしてきた場合は個人の判断で控える方もいます。

Q3. 喪中はがきを出さなかったら失礼になりますか?
A3. 年賀状のやり取りがある相手には基本的に出すのが礼儀です。出さなかった場合、相手が年賀状を送ってしまい、気まずくなることもあります。

Q4. 複数の身内が亡くなった場合はどうすればよいですか?
A4. 「本年〇月に父〇〇が、〇月に祖母〇〇が永眠いたしました」と簡潔にまとめて記載します。

Q5. 喪中はがきに添える言葉で気をつける点はありますか?
A5. 「寒さ厳しき折、ご自愛くださいませ」などの気遣いの言葉は好印象です。ただし、明るい言葉は控えましょう。

Q6. 喪中はがきの印刷は自作してもよいですか?
A6. 自作も可能です。落ち着いたフォントとレイアウトを選ぶことが大切です。

 

8. まとめ|喪中はがきは心を込めた丁寧な対応を

喪中はがきは、相手への思いやりと故人への敬意を伝える大切な挨拶状です。マナーを守ることはもちろん、心のこもった文章であることが何よりも重要です。

喪中というデリケートな時期に送るものだからこそ、一言一句に気を配る必要があります。送り先の相手との関係性を考えながら、形式だけにとらわれず、誠意が伝わるように工夫しましょう。

また、喪中はがきは自身の悲しみを伝える場ではなく、あくまで「年賀状を控えさせていただくことのお知らせ」であるという点も大切です。感情的になりすぎず、簡潔で整った表現を心がけましょう。

早めに準備し、落ち着いた気持ちで丁寧に仕上げることが、相手への誠意を表す第一歩になります。文例を参考にしながら、自分らしい言葉で伝えてみてください。

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