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しきびとは?お墓や仏壇に供える意味や使い方を解説

1. はじめに:しきびって何?名前は知っていても意外と知らない存在

お墓や仏壇の前に供えられている緑の葉。「なんとなく見たことがあるけれど、正式な名前や意味までは知らない」という方も多いのではないでしょうか。その植物の名は「しきび(樒)」といいます。地域によっては「しきみ」と呼ばれることもあり、仏教と深いつながりを持つ植物です。見た目が似ている「榊(さかき)」と混同されがちですが、実は全く別の植物で、使われる宗教も異なります。この記事では、しきびの基本情報から供える意味、正しい使い方、よくある誤解まで詳しく解説します。

 

2. しきびの特徴と植物としての基本情報

樒(しきび)はマツブサ科シキミ属の常緑小高木(じょうりょくしょうこうぼく)で、学名をIllicium anisatumといいます。日本全国の温暖な地域に自生しており、葉は光沢があり、密に茂る特徴を持っています。特有の強い香りを放ち、この香りには防腐作用や虫除け効果があるとされ、古くから仏事に利用されてきました。

また、しきびにはアニサチンという毒性成分が含まれており、口にすると中毒を引き起こす危険があるため、取り扱いには注意が必要です。にもかかわらず、あえてこの毒性のある植物が供養に使われてきた背景には、「不浄を払う」「邪気を遠ざける」といった宗教的な意味合いが深く関係しています。つまり、しきびは単なる装飾用の植物ではなく、精神的・文化的な役割を果たす神聖な存在なのです。

 

3. なぜ仏事に使われるのか?しきびを供える意味

しきびが仏壇やお墓に供えられるようになったのには、いくつかの理由があります。まず、香りが強く、空間の浄化や悪霊除けとしての効果が期待されてきました。仏教においては、花を供える「供花(くげ)」という行為がありますが、その中でもしきびは特に「常緑で枯れにくく、清浄を象徴する植物」として選ばれてきました。

また、しきびを墓地の道しるべや、亡き人の魂が迷わないようにという願いを込めて供えることもあります。地域によっては「四季に緑が絶えない=四季常緑=しきび」と語源を解釈する説もあるほど、季節を問わず供えられる植物として重宝されています。さらに、しきびは供養において「無言の祈り」を象徴するとされることもあり、言葉にできない気持ちを静かに伝える手段としても用いられているのです。

 

4. 仏壇への供え方と交換のタイミング

仏壇にしきびを供える際は、左右に一対で置くのが基本です。これは「陰陽のバランスを整える」という考え方に由来し、対称的に供えることで空間の調和を図ります。しきびを供える際には、茎を水につけたまま花立てに挿すようにします。花瓶の水はこまめに替えることが推奨されており、少なくとも2〜3日に一度は交換するのが理想的です。

葉が変色したり、枯れてしまった場合は速やかに取り替えましょう。特に仏壇に供える場合は「清浄さ」が重要視されるため、しきびが元気かどうかをこまめにチェックすることが大切です。加えて、お彼岸や命日など特別な仏事の際は、普段より丁寧にしきびを整えることで、故人への想いをより深く伝えることができます。使用後のしきびはそのまま捨てず、感謝の気持ちを持って処分するのが理想です。

 

5. お墓でのしきびの供え方とマナー

お墓においてもしきびは、左右に一対で供えるのが一般的です。しきびは単なる飾りではなく、故人を思い、敬意を表す供物の一つです。適切な供え方を理解しておくことで、より丁寧な供養につながります。

 

お墓参りの際のしきびの供え方と手順

 

  1. 墓石の清掃:まずは墓石や周囲の雑草、ゴミをきれいに取り除きます。清潔な環境は供養の基本です。

  2. 花筒の確認と水交換:古い水を捨てて新しい水に替えましょう。水が濁っていると不浄とされます。

  3. 新鮮なしきびを用意:季節によっては入手が難しい場合もありますが、可能であれば新鮮で色つやの良いものを選びましょう。

  4. 左右一対で供える:バランスよく供えることで、見た目の美しさだけでなく、調和と安定を象徴します。

  5. 線香・ロウソクとの距離に注意:しきびの葉に火が燃え移らないよう、火気との間隔を十分に取ることが大切です。


また、夏場は水が腐りやすいため、防腐剤を加えるなどの工夫をすると、しきびが長持ちします。万が一しきびが枯れていた場合は、そのまま放置せず、次回の参拝時には必ず新しいものと取り換えるようにしましょう。

特に命日やお盆、法要の日には、故人への敬意を込めて丁寧に供えることが大切です。美しく整えられた墓前は、故人との心のつながりを再確認できる場所にもなります。

 

6. しきびと榊の違いを正しく知ろう

しきびと榊はよく似た見た目をしていますが、使われる宗教・意味・性質が異なるため、正しく使い分けることが重要です。特に仏事や神事では、植物の選定が供養や祈りのマナーに直結するため、誤った選択を避けるよう注意が必要です。

以下に、しきびと榊の違いを表にまとめました。

しきび(樒)と榊(さかき)の違い
項目 しきび(樒) 榊(さかき)
主に使われる宗教 仏教 神道
供える場所 仏壇、お墓、納骨堂など 神棚、神社、地鎮祭、結婚式など
葉の特徴 細長く、やや先端がとがっている。マットな質感。 丸みがあり、厚くて光沢が強い。
香り 強い芳香あり(防虫・防腐効果) 香りはほとんどなし
毒性 あり(アニサチン含有で有毒) なし
手に入る場所 仏具店、スーパー、生花店など 花屋、神社近くの店、生花店など
誤用の影響 宗派によっては失礼にあたる可能性がある 宗教儀礼における混乱や不敬となる恐れがある

最近では、店頭でしきびと榊が隣り合って並んでいることも多く、見た目だけで判断すると間違えることがあります。とくに初めて供養や神事を行う方にとっては混乱しやすいため、用途・宗派を事前に確認してから購入・供養することが大切です。

また、法事やお盆などの仏事では、僧侶に相談することで適切な供え物を選ぶことができ、より丁寧な供養につながります。供える行為そのものが敬意を表すものだからこそ、「間違いを避けること」も供養の一環といえるでしょう。

 

7. よくある質問Q&A

Q1:しきびはスーパーでも買えますか?
  →地域によってはスーパーや仏具店、生花店で購入できます。特にお盆やお彼岸の時期は取り扱いが増えます。

Q2:造花のしきびでも問題ありませんか?
   →見た目の清浄感を重視する場面では問題ない場合もありますが、寺院や本格的な仏事では生花が推奨されます。

Q3:仏壇とお墓で同じしきびを使ってもいい?
  →問題ありませんが、供える場所の環境(屋内・屋外)に適した鮮度のものを選びましょう。

Q4:宗派によってはしきびを使わないところもありますか?
  →はい、浄土真宗など一部の宗派では供花に重きを置かない場合もありますので、事前に確認が必要です。

 

8. まとめ:しきびを通じて心を整える供養のかたち

しきびは、古くからお墓や仏壇に供えられ、清らかさとともに「大切な人を想う心」を象徴してきました。供養の形が多様化する現代においても、しきびに込められた祈りの心は変わりません。

樹木葬でも同様に、形式にとらわれることなく「自然の中で安らかに眠りたい」という想いを大切にしています。

私たち リーフログ樹木葬 では、四季折々の自然に包まれながら、ご家族や大切な方の想いに寄り添う供養のかたちをご提案しています。

 

どうぞ安心して、未来の供養についてご相談ください。

 

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