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外出先で亡くなったら?警察・病院の対応や家族がすべきことを解説

1. はじめに:突然の訃報、外出先での死にどう対応すべきか?

家族や大切な人が外出中に亡くなるという状況は、誰にとっても予想外であり、非常に混乱する出来事です。病院内や自宅と違い、外出先での死亡は「異常死」とみなされるケースが多く、警察や病院などの第三者が介入する場面が増えます。突然の出来事に戸惑いながらも、冷静に対応しなければならない場面で、何をどう進めればよいかを事前に知っておくことは、非常に重要です。本記事では、外出先で亡くなった際の対応の流れや家族がとるべき行動をわかりやすく解説します。

 

2. 外出先で亡くなった場合の初動対応とは?

街中や旅行先、公共交通機関などで倒れている人がいる場合、まず最初にすべきは 「119番通報」です。倒れている状態が「心肺停止」と見られる場合、救急車とともに警察も出動する可能性が高くなります。

現場では応急処置やAEDによる救命措置が行われることがありますが、これらの行動や目撃情報は、その後の警察や医療機関による調査にも役立ちます。また、異常死と判断されると、現場保存が必要になることもあり、事件性の有無が確認されるまで、周囲への立ち入り制限がかかることもあります。

 

3. 警察が対応するケース:事件・事故・急病死の違い

外出先での死亡は、多くの場合「異状死」として警察の対応が入ります。異状死とは以下のような死因を含みます。

  • 事故死(交通事故や転落など)

  • 自殺の疑い

  • 他殺の疑い

  • 突然死(持病の有無が不明な場合も含む)

警察は現場検証、所持品の確認、遺族や関係者への事情聴取などを行い、必要に応じて司法解剖を実施します。事件性が否定された場合は、一定の確認を経て遺体が家族に引き渡されます。

 

4. 病院に搬送された場合の流れ

現場で心肺停止と判断されても、基本的には病院へ搬送され、医師の診断により正式に死亡が確認されます。これにより、死亡診断書または死体検案書が発行されます。

また、外傷や不審な点がある場合、病院から警察への通報がなされることもあります。そうした場合は、再度警察が関与し、法医学的な検査に進むケースもあるため、家族としては状況を正確に把握しておく必要があります。

 

5. 身元確認と家族への連絡方法

身元確認は、運転免許証・健康保険証・マイナンバーカードなどの公的証明書により行われます。また、携帯電話の連絡先や所持品からも情報が得られ、これをもとに家族へ連絡が入ります。

連絡が来た家族は、病院または警察署に出向き、遺体確認や今後の手続きについて説明を受けることになります。

 

6. 家族が到着したらすべきことリスト

現地に到着した家族が対応すべき内容は多岐にわたります。突然のことで動揺してしまうかもしれませんが、冷静に一つずつ確認していくことが重要です。以下に主な対応項目をまとめます。

  • 身元の確認(顔写真や所持品をもとに行われます。状況により遺体の直接確認を求められることもあります)

  • 死体検案書または死亡診断書の受領(火葬や死亡届の手続きに必須。書類の内容に間違いがないかその場で確認)

  • 警察からの事情聴取(持病や既往歴、当日の行動、最後に会った時の様子などについて聞かれることがあります)

  • 遺体の搬送先の決定と手配(自宅、葬儀場、霊安室など。葬儀社との連携が必要になります)

  • 所持品の確認と受領書の記入(財布、スマートフォン、身分証などの返却時に内容をよく確認し、署名が求められます)

  • 解剖の有無と遺体の返還時期の確認(解剖がある場合は返還日が延びるため、葬儀の仮日程も視野に入れましょう)

可能であれば複数名で分担して対応すると心身の負担が軽減されます。また、対応中は重要な説明や書類の受け渡しが発生するため、メモを取りながら進めること、必要に応じて写真で記録を残すことも非常に有効です。

 

7. 死因が特定できない場合の「司法解剖」や「行政解剖」について

死因が不明確な場合には以下の解剖が行われる可能性があります。

  • 司法解剖:事件性が疑われる場合。費用は国が負担。

  • 行政解剖:医学的な死因解明が目的。自治体により一部負担が生じることも。

どちらの場合も、解剖の結果が出るまでに1~3日程度かかることがあり、火葬や葬儀のスケジュールに影響が出る可能性があります。

 

8. 葬儀社への連絡と搬送手配の流れ

遺体の搬送は、病院や警察署から安置所(自宅または葬儀会館)へ行われます。特に外出先が自宅から遠方である場合には長距離搬送が必要となり、葬儀社による車両手配とスタッフ派遣が求められます。

搬送にかかる費用は距離と時間帯によって異なり、たとえば20km圏内の短距離搬送は2万〜3万円前後が相場です。これには搬送車1台・1名体制・昼間対応などが含まれます。一方、100kmを超える長距離搬送の場合は10万〜15万円前後になるケースもあり、深夜・早朝帯での対応や複数人による補助、ストレッチャー使用料、待機時間加算などが料金に反映されます。

また、高速道路を利用する場合には別途高速代や燃料代が実費請求されることもあるため、事前の見積もり確認が重要です。葬儀社によっては全国対応・24時間受付を行っているところもあり、こうした業者を事前にリストアップしておくと、緊急時にも落ち着いて手配が進められます。

 

9.死亡届・火葬許可証の手続き比較表

死亡が確認されたら、速やかに以下の行政手続きを行う必要があります。これらの手続きが完了しなければ、火葬や納骨が法的に認められないため、葬儀の準備と並行して進めましょう。

項目

死亡届

火葬許可証

手続きの目的

死亡の事実を市区町村に届け出るための法的手続き

火葬を実施するために必要な許可を得るための証明書

提出先

本籍地・死亡地・届出人の住所地の市区町村役所

死亡届提出後、同じ役所から発行される

必要書類

死亡診断書または死体検案書(原本)

死亡届の受理後、自動的に交付される

提出者

原則:親族、同居人、家主、地主、家屋管理人など

火葬予約・実施の際に必要。葬儀社が保管・持参する場合が多い

提出期限

死亡を知った日から7日以内(戸籍法第86条)

火葬前までに準備(予約時点で提出が求められることも)

受付時間・場所

役所の戸籍課(時間外・休日窓口あり:自治体による)

死亡届の提出と同時に取得。役所が自動発行

注意点

届出遅延は追加説明や手続きの遅れにつながる可能性あり

紛失すると火葬できないため、厳重に保管すること

 

10. よくある質問(Q&A)

Q1:外出中に家族が倒れたと連絡を受けたら、まず何をすべきですか?
A1:まずは連絡元(病院・警察)に詳細を確認し、指示に従ってください。移動手段を確保し、身分証明書や印鑑(認印)を持って現地へ向かいましょう。到着後に身元確認や手続きが発生するため、落ち着いて対応できるよう心の準備も必要です。

 

Q2:死因が不明な場合、家族の同意がないと解剖はできないのですか?
A2:死因に事件性が疑われる場合、司法解剖は家族の同意なしに行われることがあります。行政解剖は原則として同意が必要ですが、自治体や医師の判断により、公共の利益を優先して実施される場合もあります。

 

Q3:葬儀の手配はどのタイミングですればいいですか?
A3:死亡が確認された後、できるだけ早く葬儀社へ相談するのが理想です。解剖や検視の有無、遺体引き取りのタイミングを警察や病院とすり合わせながら、日程を調整する必要があります。早期に連絡しておくことで、安置場所や火葬場の確保もスムーズになります。

 

Q4:旅行中など遠方で亡くなった場合、遺体を地元に戻すことはできますか?
A4:はい、可能です。葬儀社が長距離搬送に対応しており、地元の安置所や自宅に搬送できます。ただし、距離や時間帯によって費用が高額になることがあるため、複数の業者に見積もりを取ることをおすすめします。

 

Q5:外出先で死亡した場合でも、家族が死亡届を提出できますか?
A5:できます。提出先は「死亡地」「届出人の所在地」「本籍地」のいずれかの市区町村役場です。死亡診断書または死体検案書を添付し、役所の戸籍係へ提出します。提出期限は死亡日を含めて7日以内です。

 

11. まとめ:外出先での死に備えるために知っておきたいこと

外出先での突然の死は、家族にとって精神的にも手続き的にも非常に大きな負担となります。しかし、あらかじめ対応の流れや関係機関の役割を知っておけば、いざという時も必要以上に混乱せず、落ち着いて行動することができます。

たとえば以下のような準備が有効です。

  • 身分証や健康保険証、緊急連絡先のメモを常に持ち歩く

  • 家族間で万が一の連絡体制や役割分担を事前に話し合っておく

  • 希望する葬儀のスタイルや契約状況を共有しておく(互助会や事前相談など)

  • 万が一の搬送先や病院の所在地を家族間で確認・共有しておく

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