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終活の進め方|終活の意味・やるべきこと・注意点を徹底解説

終活の進め方~終活の意味、終活で書くべきこと、終活を行うタイミング、終活の注意点

「終活」という言葉の認知度は比較的高く、多くの人がこの言葉を耳にしたことがあるといわれています。
ここではこの「終活」を取り上げ、

  • ・終活の意味
  • ・終活で取り組むべきこと
  • ・終活を行っていくときの進め方
  • ・終活の注意点
について解説していきます。

<「終活」という言葉の認知度は95パーセントを超える>

「終活」という言葉の認知度は95パーセントを超える

「終活」とは、「自分の人生の終焉と向かい合い、残された人生をどう生きていくかを考える活動」のことをいいます。終末医療や葬儀の内容、お墓をどうするかを考えたり、実際になんらかの行動に移したりすることを指す言葉であり、2009年ごろから登場(初出はおそらく「週刊朝日」の連載記事)した言葉でもあります。

「自分の終焉に向かい合う」「死ぬ前、死んだとき、死んだ後のことを考えて行う行動」ということで、後ろ向きなイメージをまといがちな言葉ではあります。しかし実際には、「終活」は後ろ向きな気持ちで行うものではありません。「死」に対して向き合い、それを知り、どのように対応していくかを考えることで、残された時間を前向きに生きていくことができるようになるため、むしろ前向きに取り組むべきものだといえます。

さてこの「終活」という言葉は、12年近くの間に一気に浸透していきました。この言葉の認知度は非常に高く、20代・30代・40代・50代・60代以上の世代のいずれの層でも90パーセントを超えており、特に50代以降での認知度は98パーセント近くにまで達します。

これらのデータをふまえれば、「多くの人が終活のことを知っており、またその大切さも理解しているが、実践している人は終活世代であっても決して多くはない」といえるでしょう。

<終活でやるべきことは何? 終活で考えるべきことを理解しておこう>

「終活」という言葉の認知度は95パーセントを超える

ここからは、終活の中心となる「何を行えばよいのか」に注目をしてお話をしていきましょう。

終活で行うべきことはたくさんありますが、基本的には下記をまとめます。

  • 1.自分の情報をまとめる
  • 2.連絡先をまとめる
  • 3.医療や介護についてまとめる
  • 4.財産についてまとめる
  • 5.物を整理する
  • 6.デジタル面の管理を行う
  • 7.葬儀の希望を洗い出し、必要に応じて契約まで進む
  • 8.お墓の希望を洗い出し、必要に応じて契約まで進む
  • 9.遺品や遺産についての希望を記す
  • 10.残していく人に対する言葉をつづる
それぞれ見ていきましょう。

1.自分の情報をまとめる
「自分自身の情報」を周りの人は意外なほどに知らないものです。子どもがいる人であっても、子ども自身が知っている親の情報はそれほど多くはありません。特に、「子どもが産まれたときにすでに他界していた祖父母」「子どもとはあまり親しくしていなかった親族」などのことは、よくわからないものです。
そのため終活の第一段階として、「自分自身の情報をまとめること」が重要となります。
出身地や生年月日、家族の情報などをまとめておきましょう。

2.連絡先をまとめる
人が亡くなったときに困るのが、「亡くなった人の交友関係が分からないこと」です。
特に「老後は一人暮らしをしていて、子どもともそれほど距離が近くなかった」などのようなケースでは、子どもが親の交友関係を把握するのは難しいといえるでしょう。
そのため、「親が亡くなったときに、だれに連絡をすればよいのかわからない」という状況に陥ることがしばしばあります。
このような状況を避けるために、「自分が死んだら連絡してほしい人」をリスト化しておくことがとても重要です。名前や住所だけでなく、電話番号も記しておくとよいでしょう。

3.医療や介護についてまとめる
「ピンピンコロリ」という言葉がありますが、実際にこのようにして旅立てる人はそう多くはありません。現在は医療技術が発達していることもあり、長く生きることが「できてしまう」環境にあります。
このような背景を踏まえて、「自分は延命治療を希望するのか」「臓器提供についてはどう考えるか」を洗い出し、まとめておくことをおすすめします。

また介護が必要になった場合、どのような対応をしてほしいかも考えて記すようにしましょう。介護にはお金がかかるため、どのようにして介護費用を出すのかなどの指針もまとめておくと、自分自身で判断ができなくなったときでも家族がとまどわなくて済みます。

4.財産についてまとめる
財産についてもまとめておきましょう。財産目録を作っておくのがもっとも理想的です。土地の権利証などをまとめるとともに、持っている銀行の口座を記し、有価証券の情報などもまとめます。
なおこの「財産についてまとめる」は、下記の「遺品や遺産についての希望を記す」とも連動していますから、こちらも確認してください。

5.物を整理する
「今の家を引き払って高齢者施設に入る」「今の家を売って子どもと同居する」などのような選択肢をとった人の場合は物を整理する機会に恵まれますが、最後まで一軒家で過ごすことを選んだ人の場合は多くの物に囲まれたまま亡くなることになります。
洋服や食器、本などの小さなものもあれば、洗濯機やテレビなど大きな家電製品もあります。もちろんそのすべてを捨てることはできませんが、終活をするのであれば、これらを整理するようにしましょう。
この「残された物」の整理は非常に大変なので、意識して「物を捨てること」を徹底しましょう。ただしアルバムなどは一度捨ててしまうと二度と手元に戻ってこないものですから、このようなものはしっかりと残しておくべきです。

なお、残していく家族の負担を軽減するために、事前に遺品整理業者と契約するのもひとつの手です。遺品整理業者と契約する場合は、「一般廃棄物処理業許可」を持っている業者を選びます。「産業廃棄物処理業許可」だけしか持っていない業者には依頼してはいけません。
なお、中古家電のリユースを行う場合には、「古物商」の許可を持っている業者を選ぶ必要があります。

6.デジタル面の管理を行う
現在は多くの人が、SNSのアカウントを持っていたり、インターネットを利用した定期サービス契約を利用したりしています。このようなデジタル面での管理についても意識しなければならなくなってきたのが、令和時代の終活です。
「自分がどのようなサービス(SNS)に加入しているのか」「そのパスワードはどんなものなのか」「自分が死んだ後に、そのSNSをどうしてほしいのか」をまとめておくとよいでしょう。
特に現在では、「頻繁に遊んでいるが、SNSで出会った相手であり本名も住所も知らない」というケースもあります。このような人たちに「自分が死んだこと」を伝えるためにSNSを利用しなければならなくなることもあるので、「どのように対応してほしいか」をしっかりと記しておくことが必要です。
また、家族であっても見られたくないデータがある人は、その削除方法についても考えなければなりません。現在は「一定期間パソコンに電源が入れられていなかった場合、その人が死亡したとみなし、自動で内容を削除する」というソフトなどもあるので、これを利用するのもよいでしょう。

7.葬儀の希望を洗い出し、必要に応じて契約まで進む
「人間は人生で3度だけ主役になるが、それは『生まれたとき』『結婚したとき』『死んだとき』である」といわれています。結婚式をカスタマイズするのと同じように、葬儀をカスタマイズしたいと考える人も多いことでしょう。
そのため、「自分の理想とする葬儀」を洗い出し、それを記しておくのもよいでしょう。
ただ、残された家族がそれに従って葬儀をしてくれるという確約はないので、可能ならば生前契約まで済ませるようにすると安心です。

8.埋葬方法の希望を洗い出し、必要に応じて契約まで進む
「どこで、どのようなかたちで眠るか」を洗い出すのも、終活において非常に重要なことです。
樹木葬を選ぶのか、納骨堂がよいのか、それとも一般的な霊園を希望するのかを考えておきましょう。生前に契約までを行えば、「自分の希望するお墓(やほかの埋葬方法)のかたち」を確実に反映することができます。
ちなみに、生前にお墓などを契約―購入をすることには、財政上のメリットもあります。お墓や仏壇などは「祭詞財産」とされ、課税対象外とされるからです。

9.遺品や遺産についての希望を記す
遺品や遺産について、「どのようにしたいか」をエンディングノートに記すことも重要です。
ただしエンディングノートは法的拘束力を持たないため(後述します)、ここで記す内容はあくまで「希望」です。

10.残していく人に対する言葉をつづる
終活ノート(デンディングノート)は、旅立った故人をしのぶためのものでもあります。残していく人たちに、最後の自分の言葉を記しましょう。これは本人ではないとできないことです。

<終活を行っていくときの進め方>

終活を行っていくときの進め方

上では「終活の内容」について解説していきましたが、ここからはよりわかりやすく、「段階的に終活を進めていく方法」について解説していきましょう。
終活で行うべきことはたくさんありますが、下記の手順で進めていくとやりやすいかと思われます。

1.終活ノートを記す
終活ノート(エンディングノート)をまず書きます。終活ノート(エンディングノート)は終活を行う際に必ずといってよいほど開くことになるもので、ここに上で挙げた「自分の情報」「医療の希望」「葬儀や墓の希望」「残していく人のための言葉」などを記します。
実際の契約などに至る前に、まずは終活ノート(エンディングノート)を記し、自分自身の考え方をまとめましょう。

2.家族との話し合い
終活ノート(エンディングノート)を記すのと同時進行で、家族との話し合いも行います。
家族のなかには「縁起でもない!」と反対する人もいるかと思われますが、理解を示してもらえるよう、丁寧に話しましょう。

3.葬儀やお墓の生前契約を行う
自分の希望を洗い出せたら、葬儀やお墓の生前契約に進みます。「自分はこのような葬儀・お墓を希望しているが、可能だろうか」と業者に聞きましょう。なお現在は、生前契約をすることで、葬儀費用が安くなる業者もあります。
必要に応じて、遺品整理業者にも連絡をします。

4、遺言書の作成
遺言書を作成します(※詳しくは後述します)。

5.生前整理を行う
いらない物・いる物を分けて、生前整理をします。できるだけ物を少なくすることを意識して、少しずつ物を処分していきましょう。
「捨てたくはないけれど、これから先残しておいても仕方ないと感じるもの」に関しては、写真に撮るなどしてから捨てることをおすすめします。

<終活の注意点! 法的拘束力の有無>

終活を行っていくときの進め方

「終活ノート(エンディングノート)」は、終活において非常に重要な役割を果たすものですが、ひとつ注意点があります。

それが、「終活ノート(エンディングノート)は法的拘束力を持たない」という点です。

終活ノート(エンディングノート)に遺品や遺産の希望を書いておいたとしても、残された家族はその通りに分けなければならない義務を負うことはありません。もちろん残された家族が自発的にその希望にそって分けてくれる可能性もありますが、「遺産なのだから法律にのっとってきちんと分けるべきだ」とされた場合は、それが優先されます。

遺品や遺産を希望通りに分けてほしいと考えるのであれば、遺言書を制作する必要があります。
なお遺言書は個人でも作成はできますが、弁護士などのプロに頼むことをおすすめします。遺言書の書き方には決まりがあり、それにそっていないと無効とされるからです。

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